3Dプリンタで画像を立体化
~3Dプリンタと3D画像処理の体験~
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この実験では画像処理技術の体験と3Dプリンタによる造形を体験してもらいます. 3次元形状を撮影できるKinect(Microsoft社)を使って皆さんの顔や体の形を撮影し,撮影した形状をコンピュータ上で加工して,3Dプリンタで造形します.

Kinect

画像処理技術は医療支援,自動車・ロボットの状況認識,セキュリティなど様々な目的のために使われています.画像処理で主に行われることは,撮影された画像の中から目標物を見つけ出すことです.例えば自動車では,自動車の前方に向けたカメラで画像を撮影し,画像の中から信号・標識・周囲の自動車を見つけ出します.医療支援では,手術室に患者を撮影するカメラを設置し,撮影した画像から患者の体の位置・臓器の位置や形を認識します.画像から見つけた目標物に基づいて,車の運転者や手術室の医師に役立つ情報を見せることが可能になります.情報を人間に見せる方法は,コンピュータの画面に表示するのが一般的ですが,3次元形状のデータを見せる際には3Dプリンタが適しています.3Dプリンタは3次元形状データをそのままの形で立体造形するため,人間が分かりやすい形でデータを提示することができます.

画像を撮影する装置には,2次元画像を撮影する通常のカメラの他に,3次元形状を撮影することができるKinectやCT像撮影装置があります.Kinectを使うと物体の表面の色だけでなく,表面の形を撮ることができます.CT撮影装置では,人体の内部の様子を撮影することができます.

Kinectで人の形状を撮影する様子

画像処理技術とコンピュータの発展に伴い,3次元形状データをコンピュータで扱うことが多くなりました.3次元形状データは通常2次元の画面上で見ることになります.しかし,近年3Dプリンタが普及したため,3次元形状データを3次元形状のまま造形し,手に持って形を確認することが可能になりました.

3Dプリンタ

皆さんに行ってもらう実験の中で,Kinectを使って皆さんの顔や体の形を撮影してもらいます.撮影した3次元形状データをコンピュータ上に表示して確認し,形状の加工を体験します.その後,3次元形状データを3Dプリンタにより立体造形します.

3Dプリンタで造形した人体の臓器