3. エコロジーな発電装置を作ろう!
〜熱から電気を発電〜


 私たちの身の回りには図1のように、 様々なところから「熱」が発生しています。 この「熱」は全エネルギーの実に60%を占め、 ほとんど再利用されることもなく棄てられています。 熱電変換発電はこの無駄に棄てられている「熱」から 「電気」を取り出すことができる地球環境に優しいエネルギー有効利用技術です。 本実験の趣旨は、 この未来の発電技術である熱電変換発電について皆さんに理解していただくことです。


図1 身の回りで発生している「熱」

 電気こたつのヒーターなどは電気エネルギーを熱に変えています。 では、逆に熱を電気に変えるにはどうすれば良いのでしょうか? 図2のように、金属などの物質の一端を暖め、 もう一端を冷やして温度差をつけると、両端に電圧が生じます。 この現象は発見者の名前にちなんて「ゼーベック効果」と呼ばれています。 ゼーベック効果自体は身の回りの全ての物質で起こる現象ですが、 発生する電圧が特に大きい物質は「熱電変換物質」と呼ばれています。


図2 熱から電気が生じるゼーベック効果

 この実験では、実際に簡単な熱電変換発電装置を作ってもらいます。 発電装置は、図3に示すように、 熱電変換物質を直列接続した単純な構造をしています。 熱電変換物質の形状や数を自由に設計し、 より大きな発電量が得られるような装置を作ります。 自分の作った発電装置で発光ダイオードの点灯や、 モーターの駆動など、地球に優しい発電に挑戦してみましょう!


図3 熱電変換発電装置の作製


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